2009年06月30日

竹輪

 竹輪の穴から未来を見る。竹輪は長ければ長いほど、遠くの未来が見えるというのは有名な話。けれど竹輪はとても柔らかいのであまり長い竹輪では曲がってしまって穴の先が覗けない。
 あるとき竹輪職人のサヤネさんがとても長い竹輪を完成させた。竹輪界にその人ありとまで言われる彼女の竹輪は、程よく硬く真っ直ぐで、これなら明後日くらい先の未来まで届くはずだと誰もが興味深々だった。
 ユキヲがこれを覗くと、なにも見えなかった。誰が見ても何も見えないようだった。そうなるとみんな我慢できずに竹輪を食べてしまう。次々に頬張って、みんな蕩けるような笑顔になった。
 そこでユキヲは気付いた。こんなにも美味しい竹輪が明後日まで残っているはずがないってことに。


posted by sakana at 12:54| Comment(0) | ミルク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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